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2025/04/06 (Sun)

那月邪夢が明かす苦悩と希望「今のメンバーになって“明るくなったね”と言われるようになった」【MADMEDソロインタビュー】

2025年1月27日、お披露目公演『Gauze』にて、ステージデビューを果たしたMADMED。同月7日に惜しまれつつ現体制終了したMAD MEDiCiNEを受け継ぎながらも、新たな可能性を見せてくれた。デビューから約1ヶ月が過ぎた今、7人は何を考えているのか。現在開催中の東名阪ツアー『MAGiCAL×MEDiCAL』のスタートを控えた2月のある日、それぞれに胸を内を訊いた。ラストを飾るのはもちろん我々の魔王、那月邪夢だ。

 

 

自分もヤバいけど、みんなも闘ってる

 

——最近、病んでいると聞きましたが。

 

邪夢:あはは(笑)。まぁ、いろいろ考えちゃうからダメですね……。MADMEDも始まったばかりだし、後輩ちゃん、マザリちゃんも勢いがすごいじゃないですか。負けてられないな、とか。

 

——否が応にも前体制と比べられるわけで、矢面に立っている邪夢さんはいろいろキツい想いもしたのではないかと思います。

 

邪夢:“マドメドの那月邪夢”という名前で活動しないと意味がないと思ってたから、引き継いだわけですけど……。いろんな声があるのは覚悟はしてたけど、実際のダメージは大きかったです。

 

——でも、思ったよりMADMEDが受け入れられている印象もあって。新体制になって、正直もっと“那月邪夢with〜”になるのかなと思っていたんですよ。それもなく、いいメンバーが揃ったのではないかと。

 

邪夢:うんうんうん! お披露目のレポートに書いてましたよね。「那月邪夢の牙城が崩れるのではないか」って。

 

——はい、そこが新体制の面白みだと思うし、邪夢さん自身も「私を立ててくれ」とは思ってないだろうし。メンバー選考に関しては、邪夢さんも関わったんですよね。

 

邪夢:関わりました。 堤(MADMEDプロデューサー)さんに「こういう子どうかな?」とか、堤さんがいいと思った子のレッスンを邪夢が担当するとか、そうやって邪夢が話してみて「この子はこうですね、あの子はああですね」と、やり取りして。

 

——そうやって選んだメンバーのポテンシャルに関してはどうです?

 

邪夢:やっぱりMAD MEDiCiNEを引き継ぐ、自分だけ残るという状況で絶対に妥協したくなかったんですよ。本当に悩んで、いろいろあったし。新メンバーもすぐに決まったわけではなく、「ちょっとここが……」とかもあったりして。いろいろ考えてやっていく中で、うまくいかないこともあったけど、結果的に「MADMEDを頑張りたい」という気持ちが本当に強い子たちが揃って、今もどんどん成長している。こう言うとあれですけど……前体制よりも今のほうがもっと上に行けるような気がしています。 

 

——それがないと前体制に対しても失礼になりますからね。

 

邪夢:ああ、そうですよね。目指すところがみんな一緒で、いっぱい話し合ってます。「ここへ行きたいね」、「絶対行こうね」、「武道館は当たり前だから、東京ドーム立とうぜ!」みたいな。東名阪ツアーに向けてもみんなで話し合いの時間を設けて、こういうことしたらお客さんが集まるんじゃないか? とか、TikTok毎日配信も簡単なことじゃないけど、頑張ろうって。新曲も引き継ぎ曲もやるし、覚えなきゃいけないこともたくさんあるけど、「私たち、やります!」という気持ちでいてくれるのは本当に心強い。1回、メンバーで話し合ったときに、昔よりも頑張れてない自分が本当に嫌になって泣いたんですよ。昔は毎日配信だったり、毎日投稿だったり、SNSも頑張っていて、今よりもっとしんどいスケジュールをこなしてたはずなのに、今のほうが頑張れてないなと思っちゃって、メンバーの前でめっちゃ泣いたときがあった。そのときも「私たちが頑張るから」と言ってくれて。そういう邪夢が頑張らなきゃいけない部分でも一緒に頑張って支えてくれる、「一緒に頑張るよ」と言ってくれて、「ああ、頼っていいんだな」と思えて嬉しかったです。

 

——いい仲間ですね。

 

邪夢:いい子たちに出会えて本当によかった。これも全部、当たり前のことじゃない。

 

——他のメンバーは邪夢さんとは別の意味でのプレッシャーがすごい中、活動しています。

 

邪夢:うん、元々をあったものを引き継いでいく、これがもうヤバいですよね。自分もヤバいけど、みんなも闘ってるんだなって思います。

 

 

メンバーも仲間とはいえ、ここは負けてらんないな

 

——お披露目ライブに向けてはどうでしたか?

 

邪夢:本当にずっと練習しました。自分も初心に帰ったつもりで、既存曲もめっちゃ練習しましたし。そのおかげかどうかわからないけど、お客さんに「ダンス、すごくなったね」みたいに言ってもらえることも増えましたね。私が居ない状態で、ほかの子たちだけのレッスンがちょくちょくあったんですけど、それがすごく嫌で。行かなくてもいいのかもしれないけど、一緒にやっていく仲間だから「行きたい」っていう気持ちでした。お披露目ライブ自体は完璧とは言えなかったけど、これがスタートでもいいのかなって思えました。完璧じゃないほうがいい、伸びしろがあるというか。みんな妥協したわけじゃないし、全力で練習した結果だから私だって後悔してないし、すごくいいライブだったなと思います。完璧じゃなかったとしても。叩かれてたけど、そのほうが爆発できる。「めっちゃ頑張ろう!」と思える。

 

——お披露目から約1ヶ月経ちましたが、みなさん明らかに成長してますよね。

 

邪夢:本当、みんなマジで成長速度が速い。ライブがいっぱい入ってるのもあるんですけど、歌えるようになったり、ダンスが揃うようになってきたり。でもやっぱり一番は歌ですね。本当にみんな歌えるようになったなって思います。ライブも入れつつ、ちゃんと練習時間も入れてるので。名古屋に遠征したときは7人みんな同じところに泊まって。でっかいテレビがあるんですけど、ライブ映像をみんなで見返しながらお互いにいろいろ意見を出し合いました。「ここを揃えよう、ここは違う」とか、そう言い合ってるおかげでバラバラになることはあまりなく。本当に成長し続けてるなと思いますし、グループ感もどんどん出てきてるんじゃないかなと思ってます。

 

——歌でいえば、天噛ミ妖メさん、最近覚醒し始めたなと思ってるんです。元々すごくいい声だなと思っていたので。

 

邪夢:わかります!  絶対好きだろうなと思ってました(笑)。ちょっとヴィジュアル系味があるというか、ギャルっぽいのとヴィジュアル系が掛け合わさってる感じですよね。邪夢も好きです! 「狂騒シェイプシフター」の〈これは喜劇の〜〉とか、元々かわいい声でやってたところも、妖メのカッコいい声になってよかったな。こういう歌い方もあるんだなって。あそこ聴くたびに「カッコいいー!!」となってます。 声がズルい!

 

——そこは邪夢さんも刺激になるんじゃないですか。

 

邪夢:いつも刺激をもらってます。メンバーには負けてらんねー!! 元々負けず嫌いなんで、やっぱメンバーも仲間とはいえ、ここは負けてらんないなとか、そういう気持ちはあるので。ダンスは(猿馬)虎が上手でめちゃ刺激もらってます。自分とは違うダンスの癖があって、それがすごくよくて、虎から吸収する部分もたくさんあるのでめっちゃ刺激もらえてますね。

 

——虎さん、縦がジャストに来ますよね。

 

邪夢:めっちゃわかりますっ!! リズム感が強くて。あの子にしか出せないんですよ。すごく綺麗にちゃんとパシッてキマる。邪夢はそれが出せないので、すごいなって思います。

 

——刺激といえば、それこそマザリも頑張ってますし。

 

邪夢:曲がすごい好き。ダイレクトじゃないですか、共感できる。こないだもライブ観ながら泣いてましたよ。「メンタルリストカット」を最後に持ってきていて、もうやられた! 自分が振り付けした曲がどんどんクオリティが上がってるのを見て、親心みたいなのもあるんで、本当に感情がぐちゃぐちゃでした。

 

——いい関係性じゃないですか。

 

邪夢:うん。そう思います。いい刺激をもらえる後輩だから、居てくれてよかったなと思いますね。

 

 

変わったな、私。一歩大人になったのかな

 

——ぶっちゃけ、MADMEDに対するファンの声をどう捉えています? 正直なところ。

 

邪夢:「まだ受け入れられない」という声は結構あるけど、それは本当にそうだよねって。無理に受け入れてもらう、ではなく、私たち7人が実力全部ひっくるめた上で認められるまでがむしゃらに頑張るしかない。それで受け入れられない、認められない、だったらそれはもう本当にしょうがないことだと思ってるから。でも「受け入れられないよね、そうだよね、……でも来てくれてありがとう」という気持ちにも進んでいて。それでいいんですよね。「受け入れられない」と言ってた子もちょっとずつ受け入れてくれて、ライブに来てくれたりする、それはよかったなって思います。そういう子たちが居てくれたら頑張れる。私ですら落ち着いてないので、「そりゃ、そうだよね」って、わかってるから。私たちが頑張って、MADMEDを認めてもらえる、頑張るしかないと思ってます。

 

——反面で、新しく知ってくれている人もいる。

 

邪夢:そうですね。この7人のMADMEDで「初めて観た」という人も居てくれる。そこは素直に嬉しいな。今見ておくのはいいですよ、次に見たとき、成長が見られるから!

 

——MADMED全体としての雰囲気がこれまでとガラッと変わったところがあるから、新しいファンがついてくるわけで。なんというか、大人っぽくなったイメージがあります。

 

邪夢:おお〜、メンバーカラーが明るくなったんで、逆に子供っぽくなったかと思いましたけど……うん、でも確かにそうですね、1人ひとりが大人っぽいから。平均身長も高いんで。邪夢がちっちゃく見えるんですよ。でもそこはオーラで大きく見せるから平気!

 

——期待です(笑)。同じ物語の続きではあるけど、作画が変わったというか。

 

邪夢:なるほど! 作画が変わった、そうですね。

 

——既存曲のアレンジもアップデートされて。曲も大人っぽくなった。新曲も今とは一味違うベクトルに向いていますよね。よりダーク味を帯びたし、複雑にもなっている。

 

邪夢:うんうん、「MAD DOCTOR」とか、おかしいですもんね。

 

——メンバーもそうだし、グループとしてのカラーが変わったところで、邪夢さん自身のモチベーション的に変わったというか、意識的に切り替わったところはありますか?

 

邪夢:うーん、むずいっすね。でも「引っ張らなきゃ」っていう気持ちはあります。邪夢だけが初期メンなので、わかってることも多いから、やっぱり引っ張らなきゃっていうところ。自分、引っ張るタイプじゃないんですよ。リーダーシップを取れるタイプじゃないし、自分1人で決断もできない人間だったんです。けど、そこは変わったな、私。一歩大人になったのかな。

 

——いい感じに先輩風吹かせて(笑)

 

邪夢:先輩風吹かせて!(笑) 「俺が引っ張っていくぜー!!」ってね。ダルいとか思われてないかな? 大丈夫かな?(笑)。でも「邪夢さんに助けられました」とは言ってくれて。だからこそ邪夢が頑張っていかなきゃいけない。でもメンバーも「引っ張られるだけじゃダメだ」と思ってくれているから、頼るとこは頼れてる。煽りもMCもそうだし。「引っ張らなきゃ」とは思ってるけど、それは自分だけじゃなくて、メンバーもそう思ってるし、お客さんもみんなでMADMEDを引っ張っていこうという、前向きな気持ちで頑張れていますね。

 

 

これからみんなが自分とMADMEDの曲をどう結びつけて表現していくのか

 

——パフォーマンス的な部分の変化はどうですか。5人から7人に増えたことや、見せ方を含めて。

 

邪夢:人数よりも、バグ要素が強くなったからな、曲調が。一転二転したり、音が不安定になったり。前もそうだったけど、より一層おかしくなってるというか、そういうところが強くなってるので。アー写もオシャレというよりはバグってる、ちょっとおかしい、狂ってる感じが出てるから、自分は以前より一層表情を気にしてます。いきなりめっちゃ表情を変える。笑顔から急に真顔になったり、寄り目しちゃったりとか、声質を変えてみたり。その辺は意識してますね。でも“魔王”は変えずに! これは絶対的存在でいたいから。コンセプトが決まって、メンバーが決まって、キャラ付けするときに、「邪夢=魔王」って書いてありました(笑)。

 

——そこは今さら変えられても困りますよね(笑)。

 

邪夢:でも最初、魔王のつもりなかったんですよ。自覚なくてやってたら、冬将軍さんに「魔王」と書いてもらって、「俺って、魔王??」と自覚してからパフォーマンスもそれっぽく変えてみたりしました。ありがとうございます!

 

——こちらこそありがとうございます、魔王さま。あくまでも“MADMEDiCiNEの那月邪夢”の延長にあるところは、現在もこれからも変わらない。

 

邪夢:そこはずっと変わらないですね。それが好きで、そのまま那月邪夢でいたいから引き継いだ部分もあるので。絶対に変えたくない。

 

——でも今後は魔王の座を他メンバーに奪われるかもしれない(笑)。

 

邪夢:そんなこと言わないでぇ〜(涙目)。

 

——邪夢さんが、より強力な魔王さまになればいいだけですから。

 

邪夢:うん! もう全然余裕、かかってこいや! 潰してやるよっ!!

 

——そういう期待のあるメンバーなんじゃないかと。

 

邪夢:うんうんうん! 期待しかしてない!

 

——そんな成長を感じられる、いい機会が今回のツアーだと思います。どんなツアーにしたいですか?

 

邪夢:運営さんが言ってたのは、挨拶まわりのツアー。MADMEDを知ってもらうツアーだし、引き継ぎ曲も新曲もある。それに撮影可能曲があるので。MAD MEDiCiNEから一度もやったことのない試みなんですよ。だから緊張しちゃう。たくさん撮られることに慣れてないから……。

 

———油断できないですね。

 

邪夢:いや、ライブ中に油断なんてしてないから、(得意げに)いつでも撮っちゃって! 撮影可能なライブ動画でアイドルさんがバズったりとかあるじゃないですか。それで知られることが増える、知名度が上がることもあるんじゃないかと思ってるから、たくさんの人に知ってもらえるツアーにしたいですね。その都度、成長を感じられたらいいし。これ、みんなに訊いてますよね? 邪夢が一番薄っぺらいこと言ってたらどうしよう……(笑)。

 

——そこは記事が出てからのお楽しみに(笑)。

 

邪夢:ええー(笑)。今のメンバーになって「なんか明るくなったね」って言われるようになりました。自分でも感じます。ご飯もいっぱい食べるようになりました!!

 

——でも、病んじゃうんですよね。

 

邪夢:病んじゃいますねぇ〜。そこは変わらない。でもそういう性格だからこそ、MADMEDの歌が歌えるんだと思います。感情移入できる。そうだ、最近MADMEDの中で“マイナスのことを言わないキャンペーン”をやってるんですよ。全部プラス思考に変えていく。病みやすい子が多いんです、今のMADMED。だからこそ、いいのかな。人柄がグループのコンセプトに合っているんです、全員。だから楽しみです、これからみんなが自分とMADMEDの曲をどう結びつけて表現していくのか。1ヶ月でこれだけやれてる私たちだからこそ、これから1年、2年、3年続けていった先に見えるものを楽しみにしていてほしい。どこまで行ってるか、期待してほしいですね。

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