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2025/04/05 (Sat)

おなかぺこがアイドルになった理由「MADMEDが最初で最後のアイドルです」【MADMEDソロインタビュー】

2025年1月27日、お披露目公演『Gauze』にて、ステージデビューを果たしたMADMED。同月7日に惜しまれつつ現体制終了したMAD MEDiCiNEを受け継ぎながらも、新たな可能性を見せてくれた。デビューから約1ヶ月が過ぎた今、7人は何を考えているのか。現在開催中の東名阪ツアー『MAGiCAL×MEDiCAL』のスタートを控えた2月のある日、それぞれに胸を内を訊いた。5人目はグループの妹ポジション、アイドル未経験でありながら、その堂々とした振る舞いに驚かされる、おなかぺこ。

 

 

MADMEDじゃなかったら、アイドルになってない

 

——ぺこさんはMADMEDがアイドル初めてなんですよね。

 

ぺこ:完全に初めてです。

 

——アイドルは好きだったんですか?

 

ぺこ:ずっと女の子が好きだったというか。K-POPも小さい頃から好きだし、アイドルも好きだったから、自分がその立場になってびっくりです。K-POPのカッコいい系が好きだったんですけど、(那月)邪夢ちゃんみたいなカッコよさも好きです。

 

——日本のアイドルは好きでした?

 

ぺこ:小っちゃい頃からAKB(48)さんは好きで。でも地上より地下アイドルが好きでした。ヒロシンさん、悲撃のヒロイン症候群が好きで、chuLaさんも好きでした。ヒロシンさんは楽曲や世界観が好きで、chuLaさんはかわいいので好き。ダークなほうが共感できるし好きですね。ヒロシンさんはアイドルの中では珍しいコンセプトだったし、こういうことを表に出しても許されるんだ、今までみんなが隠してきたことを出して共感していく、それがすごくいいなと思いました。だからこそ人気だったと思うし。

 

——ヒロシンが出てきたときのインパクトはすごかったですね。逆にchuLaは底抜けに明るい。

 

ぺこ:chuLaは曲がかわいいから好きなんですけど、共感ではない。「ライブ楽しいな! かわいいな!」っていう楽しさでライブへ行ってました。

 

——そこから自分がアイドルになりたいと思ったきっかけはなんだったんです?

 

ぺこ:ずっとアイドルになりたいとは思ってたんですけど、自分には無理だなと。生きてきた中で、なんでも本気で「こうなりたい」と思って、なったことがなかったんです。そこに達する前に諦めてたんですけど、友達に「MAD MEDiCiNEのオーディション、一緒に行かない?」と誘われて、そのときにMAD MEDiCiNEを知って、曲もすごい好きだし、世界観も好きだった。自分の居場所になってくれそうで、支えてくれそうな歌詞、それを自分が歌いたいと思ってオーディションを受けました。

 

——友達に誘われたことがきっかけだったんですね。

 

ぺこ:ええ。だから最初は正直、なんとなくの気持ちで面接へ行ったんですけど、堤(MADMEDプロデューサー)さんとお話して、MAD MEDiCiNEのことを詳しく教えてもらいました。そうしたら意識して見るようになるじゃないですか。ちょうど「アリス心中」のMVが出ていて、あの世界観がものすごく好きだったし、歌詞もやっぱりすごく好きだったから、「ここで頑張ろう」と思いました。まだ決定したわけじゃなかったけど、初めて自分が「頑張りたい」と思えたから頑張るしかないんだと思って。MADMEDじゃなかったら、アイドルになってない。

 

——最初はMAD MEDiCiNEを知らなかったけど、知ったらハマったと。

 

ぺこ:自分の系統も全然違ったんですよ。茶髪で王道系お姉さんみたいだったんです、その時期は。だから周りや親からも「絶対王道系のほうがいいよ」と言われていて。でもやっぱり自分が歌いたい曲はMAD MEDiCiNEの世界観だった。面接のあと、まだ決定もしてない頃にMAD MEDiCiNEのライブを観に行って、「絶対ここで頑張ろう」と思いました。

 

 

MADMEDじゃなかったらアイドルはできてない

 

——他のオーディションを受けたりしました?

 

ぺこ:いえ、1回も受けたことなくて。

 

——MADMEDに決まるまでは長かったんですか?

 

ぺこ:5月の終わりにオーディションを受けて、決定したのが12月だったんで長かったですね。デビューが1月で1ヶ月前に「一応、決定です」みたいに言われたので、気を抜けないから怖かったです。毎回レッスンでビクビクしてました。

 

——最初はMADMEDではなく、“新グループ”という括りだったんですよね。

 

ぺこ:はい、ぺこは新グループのほうだと言われてました。そしたらあるとき急に「MADMEDとして活動してほしいです」と言われたんですよ。何も説明なしにLINEグループに追加されて、「今日から邪夢含め、とりあえず今決まってるメンバーでレッスンを始めます」と言われて、「え、どういうこと??」という……。

 

——選ばれたときはどうでした?

 

ぺこ:怖かったです。タイミング的にMAD MEDiCiNEが盛り上がってたし。どういう終わり方をするのか、新体制をどういうふうに表に出すかもわからなかった。やっぱり前と比べられるし、批判されるのも目に見えてるじゃないですか。最終的にはそれでも頑張ろうと思えたからよかったけど、決まったときはもうずっと「どうしよう……」って、嬉しい気持ちと不安な気持ちでぐちゃぐちゃでした。一緒に決まった子たちはアイドル経験があったり、踊りも上手だったりとか、それぞれにもう個性があった。自分は未経験で何もわかんないし、全部が1から。そのときは髪もツートンじゃなくて、見た目も個性もなかったので、「どうしよう……、どう変えればいいんだろう……」と悩みました。

 

——そこからどうやってモードを切り替えたのですか?

 

ぺこ:切り替えたというか、もうやるしかなかったんです。本当に時間がないから、悩んでる暇はないんだなと。強制的にじゃないけど、「アイドルやるんだ! やるしかない!」という思考に変わったのかなって思います。

 

——そして、Xで新メンバー発表がありました。

 

ぺこ:めっちゃ泣いてましたよ。(猿馬)虎、ぺこの順番でした。ちょうど「完全犯罪※430」のMV撮影の日だったんです。もうめっちゃパニックを起こして。虎が一番怖いはずなのに、ぺこのほうがずっと泣いていました……。次の日、ぺこの発表の日はマザリちゃんと初めましてで、みんなでご飯に行く日だったんですけど、マザリちゃんたちの前でも泣きました。発表されてからは、出てしまったものはしょうがないという気持ちになり、メンバーを見て欲しかったですね。このメンバーには自信があるので、これから楽しみだと思ってくれたらいいなと。覆面アー写が出たときから震えてました。毎分毎秒ずっとXに張り付いてエゴサして……。あのときはいいコメントのほうが少なかったので、「そうだよな……」と思ったんですけど、今はすごい応援してくれてる人も多いし、よかったです。

 

——最初の覆面アー写公開の反応はけっこう厳しかったですよね……。

 

ぺこ:とんでもなかった! だからこそ顔を出すのが怖くて。それに(憑宮)ルチアさんの色を引き継がせてもらってることもあって余計に。虎とかは既存の色じゃないからあれだけど、自分は申し訳ない、怖かったですね。すごく怖かったけど、でもやるって決めたから頑張りたいし、最終的には「もう何言われてもいいや」と思いました。

 

——メンバーカラーに関しては凸さんも、「自分が白で、ぺこさんがピンクだったら前体制と被るから変わったのがよかった」と言っていました。

 

ぺこ:ぺこがピンクで、凸が白だと、めっちゃイメージ通りですよね。それだったらヤバかったんじゃないかなって。そこをちゃんと考えてくれた堤さん、さすがです。

 

——お披露目ライブはどうでした?

 

ぺこ:ボロボロすぎて、自分は最悪でした。めっちゃ緊張して早取りしちゃうし。でもめっちゃ楽しかったな。お披露目であんなに豪華なゲストの方を呼んでもらって、たくさんの人に観てもらって。それが当たり前じゃないから、自分の実力でもっと頑張らなきゃなとなりました。

 

——ぺこさんにとっては、アイドルとしての初ライブだったわけですが。

 

ぺこ:そうですね。もう記憶がほぼなかった。一瞬で終わっちゃって。でも楽しかったな。とにかく迷惑かけたくなくて、自分が足を引っ張りたくない気持ちでいっぱいでした。自分を選んでくれた堤さんと、邪夢ちゃんの「一緒にやりたい」と思ってくれた気持ちを無駄にしたくなくて、今も頑張っています。MADMEDじゃなかったらアイドルはできてない。MADMEDじゃなかったらアイドルをやる気ないですから。MADMEDが最初で最後のアイドルです。

 

 

自分たちのことを「いい」と言ってくれてる人のために頑張るしかない

 

——お披露目から約1ヶ月が経ちましたが、気持ちに変化あります?

 

ぺこ:たくさんライブできる環境にしてくれているおかげで慣れはあるんですけど、やっぱり初心を忘れちゃダメだなと思ってます。デビュー以来「毎回、この日が最後のつもりでライブをしよう」と思ってやってるんですけど、やっぱりお客さんがいない日もあったし、自分の色のペンライトが見えない日もあった。お披露目をあんなにドーン!とやったからこそ、気持ち的に落ち込む日も多くて。でも凸にそれを相談したときに、「自分のこと見てくれるお客さんが居なくても大丈夫。グループが好きで来てくれる人がいるし、その世界観を崩しちゃいけないから自分のお客さんだけじゃなくて、グループを見てくれる人のために私は頑張る」と言っていて。そうだよね、すごいなと思いました。その通りですよね、MADMEDが好きで観に来てくれてる人がいる、その中に自分がいるんだから毎回全力で頑張るしかないと思えたんですよね。

 

——凸さん、ものすごく意志の強い人ですよね。

 

ぺこ:本当にあの子の思考に助かっています。言語化するのもすごく得意。ぺこは自分の気持ちを伝えるのが難しくて。でも理解してくれるんです、すごいメンバーです。本当に凸がいなかったら、もっととんでもなくめげてたと思うし、めっちゃ病んでたと思います。立ち直れてなかった。

 

——いいメンバーが揃いましたね。

 

ぺこ:はい! あとは堤さんのプロデュース力で大丈夫、なんとかなる。本当、自分はそこら辺にいる子だったんですよ。だからこそ堤さんの言うこと全部を信じるしかないと思って、言われた通りに従っていったらこうなりました。見た目も、ツートンヘアもそうですけど。

 

——堤さん、最初は怖くなかったですか?

 

ぺこ:めっちゃ怖かったですよ! 「なんか全身タトゥーの人がいる……!?(汗)」と思ったら、まさかの面接の相手? プロデューサー!? え!? みたいな(笑)。ヤバッ!って、怖かったけど、でもそのいちばん初めの段階で「デビューは来年の1月末です」って言われたんです。それが5月だったんで、「すごい先ですね」と言ったら「僕は中途半端なものを作りたくないので」と。すごい完璧主義っていうか、めっちゃしっかりしてるんだなと思って、信用しました。2、3ヶ月で作るのではなく、しっかり時間をかけて考えて作ってくれるんだって。

 

——お披露目から1ヶ月でいろんな対バンイベントにも出たと思いますが、いかがですか?

 

ぺこ:でも、今までのMAD MEDiCiNEの努力と知名度で出演させてもらってるイベントじゃないですか。それは自分たちの実力じゃない。だからワンマンとか、そういうもので結果を出していきたいです。自分は、勉強だとしてもMAD MEDiCiNEのライブを観に行ってたからこそ、思い入れもあるんです。邪夢ちゃん以外のメンバーを総入れ替えして、名前も変わった。自分たちも1からだと思ってるから、別グループみたいなものだと思って欲しいです。誰もMAD MEDiCiNEの代わりにはなれない。前体制を超えるとかそういうことじゃなく、新しいMADMEDとしてやってるから、別モノとして見てほしいです。未だに楽屋とかに“MAD MEDiCiNE”と書いてあるときもあるので……。

 

——それはつらい。でも今の7人のパフォーマンスはもちろん、新曲や既存曲もアップデートされて評価されていると思うんです。実際新しく来てくれているお客さんも多いですよね。

 

ぺこ:現場に来てくれてる人はそういうふうに思ってくれる人が多いけど、SNSを見てると、「前のMAD MEDiCiNEのほうが……」と言ってる人も多い。でも結局会いに来てくれて、自分たちのことを「いい」と言ってくれてる人のために頑張るしかない。だからマイナスなことを言われて落ち込んでいられないです。

 

——そんなMADMEDを知ってもらうためのツアーが始まります。

 

ぺこ:自分的にはアイドルになって初めてのワンマンツアーでもあるし。来てくれる人たち全員が「やっぱりMADMEDが一番好き」と言ってくれるライブにしたいし、「行きたかったな」と悔しがられるくらいのライブをしたい。初披露曲もあるし、撮影可能の曲があるのもデカいですね。撮ってもらった動画がたくさん広まればいいなと思っています。

 

——最後に名前の由来を訊いていいですか?

 

ぺこ:名前は、妖メがつけてくれました。みんなでご飯を食べたときにまだ名前が決まってなくて。いくつか候補があったんですよ。それでどうしようかと悩んだときに、妖メが突然「“おなかぺこ”は?」って言い出したんです。そしたら堤さんがハマったらしく、「それだ! それにしよう!」って。「え、“おなかぺこ”ですか??」と思ったけど、もう堤さんを信じようと思って、おなかぺこになりました。本当は“〜ウサギ”にしたかったんですけど、虎が“猿馬虎”になったことによって、動物が多すぎるなと。堤さんが候補で考えてた“白玉餅子”、あともう1個“ミラクルミルク”で悩んでたんですよ。そしたらまさかの“おなかぺこ”。なんだかすごくしっくり来ました(笑)。

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